施設情報

二ヶ領せせらぎ館

 二ヶ領せせらぎ館は、国土交通省の二ヶ領宿河原堰管理所の一画にあり、水防活動資材を備蓄しています。平常時はその一部を防災、環境、歴史、文化に関する学習などの、情報発信拠点として活用され、京浜河川事務所が進めている「多摩川流域リバーミュージアム(TRM)」や川崎市が進めている「多摩川エコミュージアムプラン」と連携を図り、管理、運営は、行政と「NPO法人多摩川エコミュージアム」を中心とする市民との協働で行なわれています。

 場所は、川崎市多摩区宿河原の二ヶ領宿河原堰のそばにあり、1階が情報・展示ホール、2階に会議室があります。ミニ多摩川水族館、二ヶ領宿河原堰模型、大型モニター画面(DVD)などの常設設備のほか、月ごとに変るフレッシュな企画展示(写真・絵画・作品など)が開催されます。ホール床面には、河口から水源までの多摩川水系全域を撮影した衛星写真(縮尺10,000分の1)が貼り付けられています。そのほか、多摩川コンサート(桜・夕涼み)、エコ★カップいかだ下りなど、季節に合わせた行事も開催されます。受付は、ボランティアメンバーが担当しています。
 開館時間/10:00~16:00 5月~8月の土・日・祝日は9:00~16:00
 休館日/毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、第1・3水曜日

二ケ領せせらぎ館利用要領

常設展示

多摩川のエコミュージアムが再現された展示を目指しています

 二ヶ領せせらぎ館の1階展示室では周辺の自然環境を来館者の皆さんに体験して頂くため、季節に合わせた展示を行っています。各コーナーは常設コーナーと月替わりの企画展示となっています。

 

①多摩川の生き物たち(魚、カメ、カニ、たまずん、メダカ等)

 入り口入って左側には、大師干潟館周辺で捕まえたカニの水槽、多摩川のガサガサで捕まえた小魚の水槽が有ります。その横に2021年秋にクラウドファンディングを実施して、皆さんのご協力で購入することが出来た「たまずんすいそう」が有ります。この水槽で「黄金のナマズ・たまずん」がのんびりと暮らしています。
 そして並びに設置した6個の水槽には、周辺で捕獲した魚を種別に入れて観察しやすいように並べています。水槽の下にはカメの飼育箱も有ります。たまずんが来館する以前の人気者メダカも子供たちに人気です。

①周辺で採れた魚たちの水槽

②野鳥パネル

 二ヶ領せせらぎ館の周辺で撮影した野鳥たちの写真を、近隣で野鳥撮影を行っている方達が持ってきてくれています。どの写真も素晴らしく、直近の渡り鳥も含めて珍しい野鳥たちの写真が展示されています。パネルは全部で4枚、1枚に1ヶ月分、合わせて4ヶ月分の写真を見ることが出来ます。

②周辺で撮れた野鳥たち

③フィールドスコープ

 二ヶ領せせらぎ館の館内から宿河原堰にやってくる野鳥たちを観察できます。児童用のステップも設置しているので子供達でも一人で野鳥たちを覗くことが出来ます。

③宿川原堰の野鳥たちを覗けます

④二ヶ領宿河原堰模型

 二ヶ領宿河原堰と周辺の構造物を模ったジオラマと、新旧の宿河原堰の模型を展示しています。ジオラマでは操作パネルに設置した各箇所のボタンを押すと、該当する箇所のランプが点灯します。毎日やってくる近隣保育園の児童たちに人気です。

④ジオラマと、新旧の宿河原堰の模型
④周辺の構造物を模ったジオラマ

⑤今月の植物画

 二ヶ領せせらぎ館で植物画教室を担当していただいている緒方雅子さんが、季節に合わせた植物画を月替わりで展示しています。

⑤季節に合わせた植物画

⑥企画展示コーナー

 川崎市内で活動している個人と団体の皆さんの発表の場として利用していただいています。展示内容は、絵画(風景、植物、細密画)、写真、切り絵、子供たちの塗り絵、大学研究室の発表(東工大、明治大)などを、半月~1か月ごとに入れ替えています。

⑥個人と団体の皆さんの発表の場

⑦多摩川源流から河口までの航空写真

 ホール床面には、東京湾の河口から山梨県笠取山水源までの、多摩川水系全域を撮影した衛星写真(縮尺10,000分の1)が貼り付けられています。ご自宅を確認するためのルーペも用意しています。ご利用の際は受付にお申し出ください。

⑧授乳コーナー

 展示室奥に赤ちゃん連れのお母さん用に、授乳、おむつ替えが出来るコーナーを用意しました。ご利用の際は受付にお申し出ください。

⑨多摩川図書室

 多摩川の自然、歴史、民俗、行政等に関連する書籍を集めた小さな図書室です。現在は書籍の整理中ですがどなたでも閲覧可能です。ご利用の際は受付にお申し出ください。

※現在調整中のため下記の利用を停止しています。

 現在調整中 → ×積み木遊び ×魚の給餌

環境学習

母なる川の多摩川は川崎市民の共有財産です

  • 多摩川の魅力を生かした市民等への環境学習に取り組んでいます。
  • 多摩川の上流から下流までの魚を常設展示し、多摩川の生態を見て感じる展示にし、給餌や水槽の清掃などを職場体験学習として学んでいただけます。
  • 多摩川や二ヶ領用水周辺で採れる木の実やマツカサ、木の葉を使った工作が常に作れる場と材料を整備し、来館の親子に自由に触れて学べる環境を用意しています。
  • 学校や地域と連携して「環境学習の受講テーマを募り」それを基にして実施しています。
  • 自由研究の調査、相談のコーナーを設けて、土日祭日及び夏休み期間中は家族ぐるみの来館者に対応できるようにしています。

学校への環境学習

 小中学生・学生に対して「多摩川、二ヶ領用水、宿河原堰の自然、歴史、流域の環境保全を図る活動」など、次の内容を説明しています。

1)多摩川の歴史、流域、環境について
2)多摩川と宿河原堰について
3)二ヶ領用水の歴史、流域について
4)二ヶ領用水の取水口と堰について
5)二ヶ領せせらぎ館の役割について
6)多摩川や二ヶ領用水の授業で疑問となった質問に回答
7)職場体験学習
  水槽の石清掃、カメ水槽の清掃、野外の清掃など

2022年度の活動実績は、こちらで。


環境活動

多摩川クリーンアップ活動(毎月第一土曜日9時~10時に実施)

 2008年4月から二ヶ領せせらぎ館を拠点として、周辺の河川敷の清掃を行っています。毎月、第1土曜日の9時から約1時間の作業で”心地よい汗”が流せると思います。終わった後、おしゃべりをしながらの交流も行っています。どなたでも参加自由です。皆様のご参加をお待ちしております。
◎予約不要 ◎飛入り参加歓迎! ◎ボランティア証明発行します!

2023年3月4日(土)クリーンアップ

 朝9時から10時まで参加者78名で稲田中学校前~宿川原堰~小田急線までの間を清掃しました。今回は川崎市環境局からスケルトン車と「かわるん」を派遣していただきました。大人も子供も大喜びでした。

スケルトン車と「かわるん」がやって来ました
今回は78名の参加で清掃活動を行いました。参加した皆さんありがとう!

過去のクリーンアップ画像はこちらです。

2022年度までの活動実績は、こちらで。

多摩川エコミュージアムプラン 〜「水と緑と歴史」そして「人」とのネットワーク形成をめざして〜

プランづくりのめざすもの

 源流の笠取山から東京湾へと流れる多摩川は、流域都市全体の大きな財産です。
 川崎市は平成6年に市政70周年を迎えましたが、これを記念して地域の貴重な資源である多摩川を舞台に、市民が主体となった様々な記念事業が展開されました。これらの事業は、市民の多摩川への熱い思いや願い、日頃の活動に支えられたものでしたが、こうしたことが契機となって、多摩川エコミュージアムの構想づくりが始められ、構想の拠点となる二ヶ領せせらぎ館の開館へとつながってきたものです。
 多摩川エコミュージアムプランは、これまでの市民活動の積み重ねを基に策定されたものです。その底流に継続して流れるものは、多摩川を中心とした、「水と緑と歴史」の“エコミュージアム”づくりであり、それを市民自らが創りあげるという“市民主体”の基本理念です。
 このプランは、身近な自然や歴史、文化などを見つめ直し、市民活動を通して地域を考え、暮らしやすい快適環境を自ら創りだしていこうとするものですが、その中心には常に市民活動があります。
 プランづくりにあたっては、策定プロセスを行政が考え、計画し、実施するという従来の手法から、市内各地での様々な市民活動を総合化し、技術面や専門的な視点からの検討、さらには実現可能性なども加味して計画へと昇華するという手法をとりました。そして、行政や企業は、具体化への道筋や方策をともに考え、ともに活動し、必要な支援を行うという役割を担ってきたのです。いわば、市民が主役の分権型の地域社会に相応しい、新しい計画策定手法を実践したものといえます。

多摩川エコミュージアムプランの考え方

 「多摩川は川崎市に残された責重な自然空間であり、また、市民の憩いの場、ふれあいの場でもあります。多摩川は唯一市域を沿って流れ、市域は多摩川によりつながりを保ってきました。江戸時代に多摩川の水を利用し農業用水として開削され、近代では工業用水にも利用された400年の歴史を持つ二ヶ領用水に代表されるように、川崎の発展に多摩川が果たした役割は大きく、川崎の産業、歴史、文化、自然は少なからず多摩川と関係を持ち、多摩川の恵みに育まれてきたといえます。
 多摩川エコミュージアムプランは、このような川崎の背景である多摩川に着目し、多摩川と密接な関係を持つ「水環境」や、水系の涵養に不可欠な「緑」、地域が育んできた「歴史と文化」、そしてこれらを支える人々など様々な資源を活用し、地域に暮らす市民と企業、そして行政が役割を分担し、それぞれが持てる機能を発揮しながら、地域に立脚し、地域から発信するまちづくりを目指しています。
 この中核に市民活動があります。地域で様々に展開される市民活動は、携わる市民それぞれが地域の環境を考えるきっかけとなり、また、自らの力で地域の望ましい環境を創りあげる原動カとなります。
 多摩川エコミュージアムプランは、このように地域に住む市民自らが、活動の中からより良い快適環境を創りあげていこうとするものです。

多摩川エコミュージアムプラン イメージ像

 以下の図は多摩川エコミュージアムプランのイメージを概念図化したものです。様々な場所で様々な市民活動が行われ、これらの活動が相互に関係を持ち、全体として一つの目標に向かって活動することをイメージとしています。
 緑地や河川などの「自然環境の保全活動」や、その「維持・管理活動」。「環境調査活動」や「歴史資源の調査やその維持管理」、「案内ルートの設定や散策イベント活動」、その他、これら資源を活かした「環境学習活動」や「地域のまちづくり活動」など、興味のある市民などが中心となって取り組む様々な活動とこれら活動のネットワーク化による、暮らしやすい地域の快適環境づくりの実現を図るものです。

川崎市多摩川プラン実施事業報告書「多摩川は今」

運営団体情報(NPO法人 多摩川エコミュージアム)

NPO法人多摩川エコミュージアムがめざすもの

 水と緑の豊かな自然に彩られ、歴史的に母なる川と呼ばれて来た多摩川は流域市民にとってかけがえのない財産です。私たちは、この多摩川が大好きです。だからこそ、多摩川のすばらしい価値を高く評価し、その自然資産と歴史・文化遺産を保全・継承し、だれもが楽しく学び、活動できる川に育て、地域づくりを進めてきました。
 その出発点となったのが、1997年に行政と協働で定めた多摩川エコミュージアム構想です。そのなかで、当面は川崎市域に限定するものの、多摩川水系とその流域を対象に、市民が生活する地域と環境そのものを生きた総合博物館に創造していくことを、その目的に掲げました。
 そして2001年には、積み上げてきた活動を土台にして、先の構想をより実践化する多摩川エコミュージアムプランをまとめあげました。そこでは、市域を形成する多摩川水系と多摩丘陵がもたらす水と緑を活かし、更に歴史を取り込んだまちづくり、地域づくりの骨格を示しました。加えて、多様な市民活動による広域ネットワークの形成、市民と行政の協働による推進、二ヶ領せせらぎ館での環境教育実践や市民活動への支援などを具体的に提示しました。
 このような運動を推進する組織も、せせらぎ館運営委員会に始まり、多摩川エコミュージアム推進委員会へと発展し、2002年6月にはNPO法人化に実現をみたのです。

NPO法人多摩川エコミュージアム定款

賃借対照表

運営会議摘録

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