日時:2025年9月6日(土)
活動場所:せせらぎ池周辺
人数:24人

<今回の活動>
〇防除活動
アレチウリ(15.47kg)、その他(10.26kg)、
計 25.73kg
◯ドローン調査報告
◯講演会『奇想天外さを競うより基礎を固めて起草する保全計画』

■防除活動の感想
・タコノアシ調査
せせらぎ池にはタコノアシという、湿地に生える準絶滅危惧の植物が生えています。
タコノアシ以外の植物を抜いていった場合と、そのままにした場合とで、タコノアシの育ち方にどういった違いが出るかの実験をおこなっています。

今回の活動でも引き続き、「タコノアシ以外全部抜く」エリアでクズなどのつる植物が伸びてきていたのを刈り取っていきました。
先月まではタコノアシの花穂が少なく心配していましたが、今月はたくさんの花や実がついているのを確認できて安心しました。
秋には赤く色づいて、「蛸の足」になっている姿を見ることができそうです。

タコノアシ以外の植物もそのままにしているエリアは、タコノアシが他の植物にかなり埋もれてしまっていました。
こちらでも花穂が出ているものがありましたが、ざっと見た印象では「全部抜く」エリアに比べて少ないように感じました。
次回の調査で実際にどういう結果が出るか楽しみです。
(わけー)

・ドローンによる観測とアレチウリ
8月の活動と同様に、今回も事前に撮影を行ったドローン画像にもとづいてアレチウリの防除計画を立案した上で、当日の防除作業に臨みました。
今回の対象エリアだったせせらぎ池周辺は範囲が広く、葛が密生する中にアレチウリが点在している状況です。事前にドローンの画像を目視で調べ、アレチウリと思われる植物が写っている場所へ優先して向かうことで、限られた時間の中でも効率的に防除作業を実施することができました。上空からの視点により、草丈が高く地上からは見通せない状況下でも素早くアレチウリを見つけられたことは、大きなメリットに感じました。
現在の課題として、ドローン画像の分析を目視で行っていることが挙げられます。目視では見落としや作業者の疲労・習熟度に結果が大きく影響されてしまいます。今後はドローン画像中のアレチウリを検出できるAIの構築など、一層の効率化に努めていきたいと考えています。
(しましょー)

・ 多摩川本流周遊班
先月まで見られたオオフサモ(特定外来生物)やアマゾントチカガミ(重点対策外来種)は見当たりませんでした。2024年はアレチウリ、オオフサモ、ホテイアオイ、アイオオアカウキクサ、オオカワヂシャなど、防除対象の外来植物が多く自生していましたが、毎月の活動によりその数を大幅に減らすことができました。
希少種の個体数も増加傾向にあり、河川の植物群落がバランスよく保たれることを願っていますが、葛の増加が気になります。水際を歩きながら、エビモ、マツモ、コウガイセキショウモ、網にかかった魚(おそらくモツゴ)などを観察し、多摩川の自然を楽しみました。
また、流れ着いたゴミが多かったため、ゴミ拾いを行い、河川の美化活動にも取り組みました。
(のん)

■講演会『奇想天外さを競うより基礎を固めて起草する保全計画』
後半は、保全生態学者の今村さんを講師にお招きして、講演会を開催しました。
①保全という活動との向き合い方
②分類学入門
③データの扱い方
という3つのテーマで、保全活動をする上で頭に入れておきたい大切なことを教えていただきました。
少し難しい部分もありましたがユーモアを交えた分かりやすい講演で、質疑応答が飛び交い、講演終了後も個別に質問に行く人が後を立たなかったです。
僕個人としては、これからのせせらぎ池保全活動で、何を目指してどう進めていくのか、しっかり考えていきたいと改めて感じました。
皆さんと一緒に、せせらぎ池がもっと良い環境となることを目指して、活動を続けていきたいです。
(カジキ)

■せせらぎ池の生きもの
生きものギャラリーにて、せせらぎ池周辺で撮影した生きものの写真を随時更新中です!

■翌月の活動について
フィールド活動後にガサガサ生き物観察会があります。
ふるってご参加ください!
詳細はTOPページをご覧ください。