日時:2025年12月6日(土)
活動場所:せせらぎ池周辺
人数:33人

<今回の活動>
〇保全活動
アイオオアカウキクサ、オオフサモ(27.11kg)
その他(33.01kg)
計 60.12kg
〇ドローン調査中間報告
〇佐藤広行さん(九州オープンユニバーシティ)講演会
『植物分類学が環境保全に役立つとき~新種発見!日本全国めぐって分かった大問題』

■保全活動の感想
・多摩川周遊班
私たちの班は、新しく参加された方々と一緒にせせらぎ池の周辺を紹介しつつ、他の班がどういう事をしているか一緒に少しづつ体験するという周遊チームでした。
最初にタコノアシチームと合流し、タコノアシ周りに生えている雑草を刈り取る作業をします。
手ではなかなか抜けにくく、刈り取る人、ビニール袋に詰める人など自然と役割分担ができました。

次にアイノオオウキクサ、オオフサモなどを防除するチームと合流。
多摩川本流側になるので足場に気をつけながら網ですくったり手で抜いたりします。
アイノオオウキクサは野鳥にくっついてせせらぎ池に入ってくる事も想定されるので、できるだけ防除しておきたいです。

残念ながらそれ以外の班とはタイミングが合わず会えませんでしたが、参加された方々と植物や野鳥を観察したり、興味を持って参加されているようで、有意義な時間を過ごせました。
(もさこ)

・タコノアシ班
私を含めて6人と、最初は周遊班とも協力して活動にあたりました。
今年取り組んでいた「タコノアシ以外全部抜く」プロジェクトで、タコノアシ以外の植物を抜いていたエリアと、抜かずにそのままにしていたエリアとを皆んなで見比べて、周囲の植物を取り除くことでタコノアシの生長にプラスになることを確認。
タコノアシが生える環境の維持のためと、来年タコノアシが発芽するときに陽の光が当たるように、生い茂っていたガマやツルマメなどを刈って取り除いていきました。
これまではタコノアシの姿が埋もれてしまっていた場所もありましたが、周りの植物が枯れたことでタコノアシの赤い色が目立って見つけやすくなっていましたので、一緒に刈ってしまわないよう注意しながらも、思い切って作業に取り組みました。
(わけー)

作業前
作業後

作業の様子

・カンエンガヤツリ班
去年、せせらぎ池の周辺で絶滅危惧Ⅱ類に分類されるカンエンガヤツリが確認されました。
今年は同じ場所で生育が確認できなかったため、付近を覆っている植物をある程度取り除いて、カンエンガヤツリが生えやすくなるように環境整備を行いました。
セイバンモロコシ、アレチハナガサ、センダングサ等、背が高く木質化している草が多いため、剪定ばさみや鎌等の道具を駆使して作業を行いました。土埃や植物の綿毛が舞い散り、全身をセンダングサの種にひっつかれながらの力仕事はなかなか大変でしたが、作業が終わってすっきり見通しが良くなった環境を見ることができると、達成感がありました。
(しまこ)

作業前
作業後

作業の様子

・水草班
水草班では、多摩川の岸側に流れ着いた外来の水草を回収しました。
かつてせせらぎ池を覆い尽くしたアイオオアカウキクサや、特定外来生物のオオフサモなど、様々な外来植物が川岸を覆っていて、しかもかなり広めに蔓延っていました。
タモ網で掬っては混ざり合う在来水草と選別して袋詰めする、地道で大変な作業ですが、作業後には在来の水草が顔を覗かせるので達成感があります。
今回は全てを回収しきれませんでしたが、次回以降も外来水草の回収には力を入れて、これ以上下流やせせらぎ池に広がらないよう管理していきたいです。
(カジキ)

・アレチウリ班
冬になってしまうと、アレチウリは枯れてしまい、あまり見つけることができませんでした。佐藤さんの植物標本作成のお手伝いををしたり、タコノアシ班を訪問したりしました。「タコノアシ以外全部抜く」プロジェクトのタコノアシ以外の植物を抜いていたエリアのタコノアシの茎が、他のエリアと比べると明らかに太く、草丈も大きく成長しており、プロジェクトの成果を感じることができました。
(のん)

■ドローン調査中間報告
2025年はテスト飛行1回+本飛行3回の、合計4回にわたってせせらぎ池周辺をドローンによって観測しました。
今回はこれまでの成果の中間報告として、アレチウリ生息場所の検知と、その防除活動への活用についてお話させていただきました。河川敷のアレチウリは背の高い草むらの内側に生えている場合があり、地上からは確認が難しい場合もあります。そのため、上から見下ろすことができ、地上アクセスが悪い場所でも画像を得られるドローンは、防除作業の効率化に有効なツールの一つとなっています。実際に防除作業の前後に撮影したドローン画像によって、防除計画の立案→作業実施→作業成果の確認、の流れを行うことができ、参加者の皆様へご紹介しました。
ドローンなど新たな技術の防除・保全への利活用について多くの方にご興味を持っていただき、より効率的・効果的な活動へと繋げていきたいと思います。
(しましょー)

■佐藤広行さん(九州オープンユニバーシティ)講演会
『植物分類学が環境保全に役立つとき~新種発見!日本全国めぐって分かった大問題』
植物調査の最前線のお話しを聞くことができました。日本全国を調査して標本を集め、多くの新種発見というワクワクするお話しでした。そのうちの絶滅の危機にある種を緊急指定種とし、採取禁止の期間を設けて保護されている話しが印象的でした。最後の鹿の食害は深刻で、早急な対処が必要な問題だと思いました。
(緒方)

■せせらぎ池の生きもの
生きものギャラリーにて、せせらぎ池周辺で撮影した生きものの写真を随時更新中です!

■翌月の活動について
フィールド活動後に多摩川自然情報館講演会があります。
ふるってご参加ください!
詳細はTOPページをご覧ください。