アレチウリを対象にせせらぎ館周辺でドローン観測を実施しました(その2)

こんにちは。
ボランティアとしてせせらぎ館の生物多様性保全活動に参加しているシマショーです。
生物多様性保全活動にドローンやAIなど、色々な技術を活用していくことを目指して活動しております。

今回は2025年8月23日に実施した、せせらぎ館周辺のドローン観測の内容についてご紹介をさせていただきます。ドローンは高性能な飛行装置とカメラを搭載しており、人が踏み込めない藪の様子や、広い範囲を効率的に調べることができます。生物多様性保全活動の一環として特定外来生物である「アレチウリ」の防除活動を継続的に行っているため、今後の防除計画や防除成果の記録などに活かすべく、ドローンによる観測とアレチウリの分布把握を行いました。

ドローンを飛ばす際には、周囲の安全を確保した上で、図1の様に仮の飛行場を使用します。ドローンはここから飛び立ち、パイロットの操作によってターゲットの地域の画像を撮影していきます。バッテリー一つで5分~15分ほど飛ぶことができますが、複数のバッテリーを用意していただき、できるだけ広い範囲の画像を撮影しました。

図1.ドローンの仮設飛行場

7月の観測でアレチウリが集中して生えている場所を撮影し、得られた画像に基づいて防除計画を立てた上で、8月はじめの防除作業を実施しています。8月の防除活動に参加をいただいたボランティアの方からは、『生えている場所はドローンで撮影されているのでモタモタすることがなく、すぐに作業に取り掛かることができました。』などの感想をいただきました。他にいただいた感想などについては8月の活動報告にきさいしておりますので、こちらのリンクからぜひご覧ください。8月の活動でほとんどのアレチウリを取り除くことが出来たため、今回は同じエリアのドローン画像を使い、アレチウリが復活していないかを確認しました。

図2.ドローンの画像に基づく8月の多様性保全活動におけるアレチウリ防除計画

8月23日に撮影した画像と、7月26日に撮影した画像の比較を図3にしめしています。赤枠の中にあったアレチウリの集中エリアが綺麗に防除されており、防除から約3週間ほど経った時点でも大きなアレチウリの復活は見られませんでした。

図3.7月26日(防除前)と8月23日(防除後)のドローン画像の比較。
赤枠内はアレチウリの密生があり、防除活動を集中的に実施した場所の例。

今回のドローン観測を経て、アレチウリの防除の成果が現れていることを確認することが出来ました。秋に入るとアレチウリはトゲの生えた実をつけるため、防除作業が大変になります。大変暑い中の作業ではありましたが、実をつける前に防除を実施したことで、今後の保全活動の効率化につなげることが出来たのではないかと思います。今後もAIにアレチウリの特徴を教えることで、自動的にアレチウリ多発エリアを見つけられる仕組みづくりなど、新たな技術を通じた保全活動に取り組んでいきます。その他にも様々な活動や講演会・ワークショップを実施していますので、ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、毎月第一土曜日の『せせらぎ池生物多様性保全活動』へ是非ご参加ください!