日時:2025年5月3日(土)
活動場所:せせらぎ池周辺、二か領用水
人数:48名

<今回の活動>
〇防除活動
アイオオアカウキクサ(0.19kg)、ウチワゼニクサ(289.43kg)、
オオカワヂシャ(2.52kg)、ナヨクサフジ(1.26kg)、セイタカアワダチソウ(2.32kg)
計289.43kg 防除
〇タコノアシ以外ぜんぶ抜く!(地点の確定、まずは特定外来生物を抜く)
〇外来生物クッキング

■防除活動の感想
〇せせらぎ池周遊班(アレチウリ担当)
初参加の方が多かったので、せせらぎ池周辺にどんな植物があるのか説明しながら、アレチウリ、オオカワヂシャを中心に防除しました。
アレチウリはまだ小さな新芽の段階で、見つけるのは簡単ではなかったですが、見て回るうちに初参加の方もだんだんと慣れてきたようです。取ったアレチウリは侵略的植物クッキングで利用しました。
オオカワヂシャは、希少種のカワヂシャとの見分けが難しいため、花が咲いている確実なものだけ抜きました。水辺の手の届きづらい場所に生えていたり、他の草に紛れていることも多く、見逃しがちなのでこれからも定期的な防除が必要だと感じました。
最後は本流側の水辺に群生しているウチワゼニクサも防除しました。
せせらぎ池周辺の全体を見渡すと、シャクチリソバとナヨクサフジの勢いがすごいです。これらを防除の対象として検討してもいいのかなと思いました。
(しまこ)

〇二か領用水班(ウチワゼニクサ担当)
『二ヶ領用水にウチワゼニクサが大繁殖しているので除去してほしい』との連絡があり、防除することになりました。
用水の二か所にかたまりになっていますが他の植物は混入しておらず、そう難しい作業ではないと思えました。がいざやってみると根ががっしりと厚いカーペットのように絡んでおり、袋に入れられる量を切り離すことができず、せせらぎ館から剪定バサミを持ってきて袋詰めすることができました。
総勢8名、時間いっぱい作業してリヤカー二往復。総重量約290㎏!半分くらいは取れたと思います。残りは次の機会に。
(緒方)

〇せせらぎ池班
池班は、せせらぎ池周囲を周遊しながらオオフサモやオオカワヂシャの防除、およびフィールドワークをおこないました。増水の影響もありオオフサモの数は激減しているように見えましたが、注意深く見ていくとある程度残っている場所も見られたため、そういった箇所を重点的に取り除いていきました。
また防除活動をするついでに池周囲にいる生物の観察もしてきました。ちょうど気温が高くなってきたため、コバネヒメギスの幼虫やジャコウアゲハ(成虫)、コイ目の稚魚等を数多く見られるようになったり、クワの幼木をルッキングすることでクワコの幼虫と空繭を発見することもできました。
(飯田)

■タコノアシ以外ぜんぶ抜く!(オオカワヂシャ担当)
希少種となりつつあるタコノアシの生育が、周辺の草を取り除くことによりどのような変化をするか観察するための作業を行いました。
1m四方の特定の範囲を設定し、範囲内のタコノアシ以外の草を全て抜きます。
比較のため、草を抜かない範囲も設定します。
ここのところ草の成長が著しく、1m四方とは言え全部の草を抜くのはそれなりに大変でしたが、みんなで協力し合ったおかげで早めに終わらせることができました。
来月、どのような変化が見られるか楽しみです。
この作業と並行して周辺のオオカワヂシャの防除も行いました。
カワヂシャかオオカワヂシャか見分けが難しい個体も多く、そういった個体は残して明らかにオオカワヂシャとわかるものだけ防除しましたが、それでも結構な量になりました。大きな個体でもすぐに引っこ抜けるので防除が楽なのはよかったです。
(アキコ)

作業の様子

■外来生物クッキング
侵略的植物クッキングで利用した植物は以下の7種
①アレチウリ(特定外来生物)
②ナヨクサフジ(生態系被害防止外来種)
③セイタカアワダチソウ(生態系被害防止外来種)
④クズ(世界の侵略的植物ワースト100)
⑤シャクチリソバ(生態系被害防止外来種)
⑥ウチワゼニクサ(生態系被害防止外来種)
⑦オオカワヂシャ(特定外来生物)
ナヨクサフジやセイタカアワダチソウを抜きました。ナヨクサフジが広範囲で繁茂し、カラスノエンドウやスズメノエンドウのニッチを奪っている気がします。
(のん)

今回の野草クッキングでは、前回よりも植物の種類が多かったため、様々な侵略的植物を料理することができて楽しかったです。文字通り普段とは「一味」違う多摩川に触れ、生態系保全への理解が深まったように感じられました。
私は今回初参加でわからない事もありましたが、侵略的植物の生態を知り、楽しく仲間たちと料理することができました。
初めて参加しましたがとても楽しかったです。また、自分たちで採取した野草を食べるという貴重な経験をできてよかったです。採取して野草を知るだけでなく、多くの地域の方々と話せる機会もいただけてとてもいい企画だと思いました。来年もぜひ参加させていただきたいです。
初めての参加だったので、終始新鮮な気持ちで活動をさせてもらいました。次の機会に向けて、もっと野草に関する知識を蓄えておこうと思います。
今回、侵略的植物を現地で採取・調理してみた結果、自分の想像以上に侵略的植物が広がっていて、しかもその種類も多いことに気づきました。ですが、今回のようなイベントでその影響を抑えることができていると知り、とても良い経験ができたと思いました。また仲間と共に参加したいです。
初めて参加したのですが丁寧に教えてくださり、仲間と楽しく活動をすることができました。普段侵略的植物を気にする機会がないのでそれを調理して食べるのは新鮮な体験でした。また参加したいです。
このイベントで初めて多摩川の自然に触れて、採った植物だけでなく、野鳥や蛙など多摩川の生態系を体感することができました。次の機会があれば河川敷の部分だけでなく池や川の自然をみてみたいと思っています。
(多摩高校生)

■ドローンによる調査
皆さんは、植物調査にドローンが活用されていることをご存知でしょうか?
ドローンによる撮影とAI画像分析を駆使して、生息する植物を人の手のみで実施するよりもはるかに手早く効率的に、調査することができます。
今年度から、このせせらぎ池でもドローンを用いた調査を実験的に開始することになりました。
保全対象エリアに生える植物を画像分析により特定して、アレチウリやオオフサモ等、防除したい植物の場所を把握したり、植生調査に活用することを目指します。
今回は、初回の試験飛行ということで、ドローンの飛行をいつもお願いしているドローン資格保有者の方、調査時の安全管理をボランティアの皆さんにご協力いただき、対象エリアの撮影を試験的に実施しました。
高度によって画像の解像度が変わるため、5m、10m、20mと高さを変えながらドローンが飛ばします。
昼時で人も少なかったため、安全管理を担当した私は、ただ眺めているくらいしかできませんでしたが、高度を維持しながら対象エリア全体を丁寧に撮影していく技術と、時折近づくドローンから出る風圧に、素直に感動していました。
テキパキと仕事するドローンを見て、終わる頃にはなんだか可愛い生き物のように感じていました。
ドローンも含め、皆さんお疲れ様でした!
今回撮影した画像を分析して、結果を活動中にシェアしたり、次の調査日を定めたりと色々考えています。続報をお楽しみに!
(カジキ)

■せせらぎ池の生きもの
生きものギャラリーにて、せせらぎ池周辺で撮影した生きものの写真を随時更新中です!

■6月7日(土)の活動について
作業後にせせらぎ池の植物とマダニについての講演会があります。
ふるってご参加ください!
詳細はTOPページをご覧ください。