開会 18:00〜 司会 松井 隆一  NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事

かわさき多摩川博シンポジウム2014

平成27年1月30日(金) 多摩市民館 3階 大会議室に於いて
「かわさき多摩川博シンポジウム2014」が開催されました。


テーマ 『人をつなげる森と川−多摩川をまちの広場に』
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(オープニング)第1部 ソプラノ独唱
ソプラノ独唱 荒武 菜穂子さん
ピアノ   福崎 由香さん
曲目
1.オーソレミーオ:ナポリ民謡
2.愛の夢:リスト作曲
3.明日にむかって撃てより〜雨に濡れても:B.バカラック作曲
4.サウンドオブミュージックより〜エーデルワイス:R.ロジャース作曲

.サウンドオブミュージックより〜全ての山に登れ:R.ロジャース作曲




第2部 主催者挨拶
鈴木 直仁  川崎市建設緑政局緑政部長
平成19年に制定された多摩川プランに沿って川崎市は魅力
ある多摩川の利用と保全活動にまい進してきています。この
間、流域で活動される多くの皆さんを大切なパートナーとして
協働して進めてきています。
 多摩川は平成18年の国交省の調査以来、最大520万匹の
鮎が遡上し豊かな渓流となってきています。又、拠点のせせ
らぎ館は平成11年の開館以来なんと38万人の来場者を迎え
ています。
 多摩川の魅力を語ってもらう多摩川博シンポジウムを2006
年から開催しています。今年は基調講演に山道先生を迎え、
又、多摩川を題材にして多摩川の魅力を語ってもらうパネル
ディスカッションがこの後開催されますがどんな話が聞かれる
か、今日、
来場された皆様の多摩川の想いと重ね合わせて聞きた
いと思っています。
齋藤 光正  NPO法人 多摩川エコミュージアム代表理事
多摩川エコミュージアムは、多摩川への想いを持った仲間が
集まり、二ヶ領せせらぎ館を情報発信の拠点として活動する
団体であります。
 昨年は「せせらぎ館をまちの広場に」というテーマでありま
したが、今年はもっと欲張って「多摩川をまちの広場に」を
テーマで語ってもらうことにしました。
 従ってこのテーマは、このシンポジウムで終りではなく、更
に皆さんに今後の実際の活動として広げていってもらいたい。
 今年度の活動方針は、昨年より欲張って我々の手だけで
なく多摩川を利用する団体と共催し、更に地域の人々と交流
を深めながら拠点として活動したいと考えています。



  

第3部 基調講演
「森・里・まち・海を結ぶ川の役割」
山道 省三氏  NPO法人 多摩川センター代表理事
基調講演の概要
「いい川とは何ぞや」、愛着が持てるかわいい川、そういう川に関わ
りを持っていこう、愛着を持って付き合っていこう。
そういう川をまちの広場として有効に活用していくためにはどうすれ
ば良いか?
 昭和39年の東京オリンピックで東京の町から原っぱが無くなった。
多摩川の川辺にのみ残った。多摩川の河原は昔は単なる原っぱで
あった。それがいつの間にかゴルフ場、企業の専用グランドになっ
ていった。そういう状況下から多摩川を守っていこう、昔の原っぱに
戻そうという運動を進めています。
 多摩川開放計画:開放して原っぱとして使っていこう。子供を川に
連れていこう!
  遊び:生き方、サバイバル。(遊びながら学習する)
 これが多摩川の自然を守る、生き物を守るという動きと連動しま
す。その想いをNPO法人 多摩川センター代表として長くリードされ
てきた見識と多くの経験から、次の構成で活動実績の写真をちり
ばめ紹介されながら約40分間熱く語りました

1.川や水辺で活動している人たちは、今、何をしようとしている
のか?
  @森と里・海を結ぶために
  A活動ネットワークの活動
  B拠点を利用した広域活動
2.多摩川の人たちが果たした役割、これまでの経過
3.せせらぎ館をまちの広場に考える、川の利用と保全

講演を聞いている来場者




第4部 2014年度の活動報告
升田 修二  NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事
多摩川エコミュージアム連携団体(飛森谷戸の自然を守る会)の
受賞『国土交通省 手作り郷土賞(大賞)』も報告しました




第5部 パネルディスカッション <多摩川をまちの広場に>
コーディネーター
川崎 泰之氏
(NPO法人 DTO8代表)


パネリスト
稲田 光世氏
(多摩区プレーパークを
やっちゃおう会代表)
佐野 太一氏
(中野島学童ホール
 指導員)
村瀬 成人氏
(かわさき色輪っか
つなぎ主催)
元木 ゆめみ氏
(多摩川せせらぎ夏
万博実行委員)


昨年もコーディネーターを務めた川崎さんから本日のテーマ
の趣旨説明があった。昨年から「人をつなげる森と川」という
年度を横断した大スローガンを掲げ、先ずは「せせらぎ館を
まちの広場」にというテーマで、多摩川周辺で活動する団体
の方々に語ってもらいました。結果として多摩川せせらぎ夏
万博大作戦、かわさき色輪っかつなぎ、いかだ下りでの河童
の川流れ(川の中で遊びの楽しさと危険を学ぶ)等の開催に
繋がった。これらの活動、イベントを通じて団体間の連携も
増加した。今年もその2回目として「多摩川をまちの広場に」
というテーマで拡大して行きたい。


稲田さん
 今年のいかだ下りの河童の川流れでチームの一員が川の
中での楽しみを堪能した。私たちの子どもたちにもその楽し
みを受けさせたいとせせらぎ館にその機会の場を無理を言
って作ってもらって楽しんだ。「子どもは川に近づくな、危ない」
という危険意識ばっかりが現状で、危険はあるがこれを回避
する学びも又大事です。
同じように河原で火を使って料理する楽しみと火の危険も合
わせ教えたい。一律禁止はおかしい。

佐野さん
 第1〜7回のいかだ下りの全レースに連続出場し、父兄全員
でいかだを作った。
野草100選の冊子を子どもに持たせて植物を見て歩く、よもぎ
を取って餅を作って食べさせた。

村瀬さん
 昨年7月に丸一日色輪っかを開催した。 七夕の時期に
地元川崎の色を使った色紙で輪っかを作ってもらった。
参加団体は136団体で、6万個の色輪っかが集まり、延べ
2,210mになった。今年も行いたい。

元木さん
 シェアハウスを経営し、女性に住んでもらっています。
 地元をよく知っているし分かってほしい。多摩川も近いし
活用したいと考えています。
美容と健康を兼ねてヨガも多摩川で行っています。
多摩川せせらぎ夏万博大作戦の実行委員も行っています。


パネリストから「活動説明」の後、具体的な提案がされました。
それぞれの立場で活動しながらも推進する上で悩みもあります。
こんな場所、つながりがあればと時間が足りないくらい活発に
意見が飛び交い、討論されながら次のような具体的な提案が
でました。


・河川敷は防災拠点でもある。河川敷で親子が参加できる
 キャンプの開催
・もともと個人のパワーはすごいものがある。それがお互い
 個人で活躍していて全体のパワーにつながっていないし
 子どもとの関わり合いも大事です。集合する場所でもある
 シェアハウスの提供はその意味でも意義がある。
・多摩川は子どもの遊び場所としては自然にも恵まれスペー
 スも広い。子どもたちは場所を提供されればのびのび遊ぶ。
 しかし、今の子どもたちは川は危険としか教えられていない。
 危険もあるが楽しみもある。危険を回避する力も体験しなが
 ら遊ぶことが大事です。

☆子どもの遊び博の提案

■基調講演の講師:山道様からのコメント

・川の自然を守る会が発足したのは多摩川が全国で最初である。
 町中に原っぱが無くなり、まだ原っぱが残っているありふれた
 自然を守っていこう。それがあると子どもは遊びの天才である。
 これが大事、余計なものはつくらない
 堤防には自転車、マラソンもあるが多摩川らしい空間のありか
 たがある、活用の仕方を考えて行くことが大事。
・ファミリーで川で遊びをする。是非、川を管理する行政の家族も
 参加してもらい、若い頃、川遊びの経験のない方にも子どもた
 ちの川流れをサポートしながら自分たちも楽しんでもらうことが
 重要と考える。
・火を作る、水遊びの大事さ。神戸の震災では火を燃やし活用し
 た。川ではお湯を使えない。石を組んで、川から水をくんでお
 湯を沸かした。子どもが好奇心を持ち、工夫して遊ぶことの大
 事さ。
・防災、川での自然現象の異変を感じてもらう。日頃から川遊び
 の体験をしていたら、洪水の危険なんかは、今日の川の流れ
 はどうもおかしいと言う感性が働くようになる。

最後に私は、「川遊び博」の開催を提案したい。その意味では
本日シンポジウムを開催した多摩川エコミュージアムはそれを
企画、実行するうってつけの団体である。魚の取り方、道具の
使い方などもこの場で教えてほしい。遊びを通して皆が多摩川
に集うことができるのではないか。



川崎コーディネーターのまとめ

「多摩川遊び博をやろう」
・ シニアから子どもまでが多摩川に集まり、自分たちの庭の
ように遊びを展開していく。家族のように人が集まってくるよ
うな多摩川になれば良い。
・ 豊かな自然、とても広い空間、声を出しても誰からもしから
れない、多摩川らしさを生かした遊びを実践していくのが良い
のではないか。

本日のパネルディスカッションがそのきっかけづくり、人脈を
生かして多摩川の楽しい活用の仕方がどんどん出てくること
を期待したい。


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コーディネーター
 川ア 泰之氏
(かわさき やすゆき) NPO法人 DTO8代表
 高津区で市民と行政の協働のまちづくりに関わっています。
2014年春「にこぷら新地」を田園都市線二子新地高架下にオープン。
語る!学ぶ!作る!遊ぶ!をコンセプトに沿線・地域のクリエイティブ
スペースとし活用を開始しています。
各パネリスト
稲田 光世(いなた てるよ) 
多摩区でプレーパークをやっちゃおう会代表
 子育て中に自主保育に出会い、多摩区のこども達が安心してい
られ、のびのび遊び育つ事を目的にプレーパーク活動を続けてい
ます。「出来ることを出来る人が出来る時に」をモットーに、「思いっ
きり遊ぶっていいよね!」
佐野 太一(さの たいち) 中野島学童ホール 指導員
 自主運営の学童ホールとして地域の父母に必要とされ存続してい
ます。
子どもたちの健全な遊びや放課後の生活を守るために努めていま
すので、子どもたちには多摩川の近くでたくさんの自然に触れてのび
のびと育ってほしいと心がけています。
村瀬 成人(むらせ しげと)  かわさき色輪っかつなぎ 主催
 川崎をワクワクするようなまちにするために、色輪っかつなぎの
主催「からふる」をはじめ、「まち発」等活動しています。
昨年7月にせせらぎ館横の河川敷でつないだ”色輪っか”は、市内の
136団体(個人を含む)の協力で、初めての試みにも関わらず約6万
の色輪っかで、全長2,210mを達成しました。
元木 ゆめみ(もとき ゆめみ)  多摩川せせらぎ夏万博実行委員
 多摩区宿河原に女性限定シェアハウス「しかくい空」をオープンし、
よもぎ蒸しサロン「よもぎ箱」も運営しています。女性の背中をそっと
押すようななにかをやりたくて、まだまだ模索しています。
昨年7月の「宿河原の夏祭り:夏万博大作戦」の実行委員とし活動し、
多摩川に約3,000人が集まりました。

    





閉会挨拶
松井 隆一 NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理




★会場風景

★受付け
あいにくの雪まじりの雨天、寒さの中、100名超の方々の来場がありました。
先着100名の方々に「多摩川の大発見」または「多摩川の野草100選」を
差し上げました。

当日の宿河原堰

★ハーブティサービス
「はぐるまの会」でハーブティサービスが行われ、好評でした